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銭湯を経営したいから開業資金・経費など調べてまとめてみた

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銭湯

どうも。ぼく(@saeki_teizidash)です。

銭湯いいですよねぇ。
足が伸ばせる大きいお風呂も、自律神経が整うあっついサウナも最高ですが、やっぱりなんと言っても

銭湯が作る文化って素晴らしくないですか?

銭湯に行って、銭湯の番台にいるおばちゃんと何気ない会話とかしつつ、子供たちが銭湯で和気あいあいと楽しんでいる姿。
大人は騒ぎすぎている子供を怒ったりして、子供はマナーを学んでいく天然の地域コミュニティ。

最近はそんな銭湯で作られる地域コミュニティというのが失われつつありますが、自分がそのコミュニティ作成に携わることができたらいいなぁと心の中で常に思っている自分がいたりします…

そこで、実際に銭湯を経営するとしたらどのぐらいのお金や1日どのくらいの集客を見込めばいいのか、かなり大雑把ですがまとめてみました!
銭湯をこれから始めたいと思っている方にも参考になれば幸いです…

1.銭湯業界の現状

銭湯の現状

銭湯の経営とかの話をする前に、銭湯業界の現状について軽くまとめておきたいと思います。

1-1.銭湯の数は年々減少している

2017年3月末時点で3900軒と、統計開始以来、初めて4000軒を割り込んだ。
消えゆく銭湯、全国で4000軒を割り込む : レジャーとしての入浴は人気 | nippon.com

上記で記載した通り、全国の銭湯の数は2017年3月末時点でついに4000軒を割り込みました。
東京都だけで見ると2017年3月末時点で562軒と、10年前と比較すると約半分の軒数なっています。
参考URL:東京の公衆浴場の現況 | 東京くらしWEB

確かに、自分が住んでいる地域でも年々銭湯が廃業になっていますね。
廃業になっている理由としては、家庭内のお風呂復旧率がほぼ100%になっていることが第一に挙げられます。
他の理由としては、大手企業の有するスーパー銭湯がでてきたり、スパリゾートのような高級志向の銭湯がでてきているのも挙げられます。

ネット界隈だとサウナの交互浴とか流行っていてかなり銭湯に人が行っているイメージなんですけどね。
実態はやっぱり厳しいものがありました。

1-2.銭湯とスーパー銭湯は種類が違う

銭湯とスーパー銭湯の違いは名前だけはありません。
もちろん、銭湯を強くした銭湯がスーパー銭湯ではありません。

銭湯は普通公衆浴場に分類され、スーパー銭湯は特殊公衆浴場という種類に分類されます。

じゃあ実際どう違うのか、下にまとめてみました。
■普通公衆浴場(銭湯)の特徴
・水道/下水道代がかなり減免される
・自治体から修繕改修費などの援助を受けることができる
・自治体から銭湯のイベント湯などの費用の援助を受けることができる
・自治体で入浴料の上限が決められている


■特殊公衆浴場(スーパー銭湯)の特徴
・水道/下水道代は減免されない(普通の料金)
・自治体から援助を受けることができない
・入浴料の上限はない


上の特徴を見てみると、普通公衆浴場(銭湯)は自治体からかなりの援助を受けることができます。
逆に、特殊公衆浴場(スーパー銭湯)は自治体から援助を受けることができません。

また、普通公衆浴場(銭湯)は自治体から援助を受けられるかわりに、設定できる入浴料の上限が決められています。
特殊公衆浴場(スーパー銭湯)は設定できる入浴料の上限は特にないので、設定金額によってはかなり稼ぐことができます。

普通公衆浴場(銭湯)が入浴金額の設定上限を設けているのはちゃんと理由があります。

銭湯というのは公衆衛生、健康において非常に重要な施設でした。
それが、例えば石油などの物価変動に応じて料金が高騰をしていては、市民の健康が脅かされますよね。なので、上限を指定しているのです。
どこの銭湯も一人の値段が四百六十円なのはなんでですか? - 教えて! 住まいの先生 - Yahoo!不動産

また、逆に入浴金額を安くしない理由もちゃんとあったりします。
銭湯はその地域の組合に加入をします。
その組合の中で助け合いながら営業をするので、一つの銭湯が安くしてお客さんをごっそりもらうということは業界内のタブーとして暗黙的に認知されていることであったりもします。

なので、軒並みみんな上限にして設定をしましょうねということで、入浴金額は上限値で設定されているんですね。

2.銭湯経営で必要な費用・売り上げ

銭湯経営

銭湯の現状が大体わかってきたので、ここからは実際に銭湯を開業・経営するのにかかる様々な費用などをまとめていきたいと思います。
最初に断っておきますがかなりザックリです。そう。かなりザックリ。

2-1.銭湯の初期費用(開業資金)について

銭湯開業時にかかる初期費用(開業資金)について色々調べてみたのですが、特に初期費用などを公開しているところはなかったので、スーパー銭湯で開業する場合でかかる費用をまとめているサイトの値を参考に、銭湯を開業した場合でかかる費用を算出してみたいと思います。

スーパー銭湯で開業する場合にかかる大体の初期費用はこちら。

一般的な事業構造は次のように考えられる。
  施設面積 :400~500坪
  建設費  :3億~6億円
  入場料  :500~700円
  平均客単価:900~1200円
  利用者数 :平日1000~1200人、休日2000人
  年間利用者:40万~50万人
  年間売上額:4億~5億円
引用:スーパー銭湯|業種別開業ガイド|起業する|J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]

先述した通り、これはスーパー銭湯なので施設面積などがかなり大きかったりします。
なので、これを普通の銭湯で考えてみるとこちら。

  場所    :東京23区内
  施設面積  :70~100坪
  坪単価   :100万円
  敷地購入費 :7000万円~1億円
  建設費   :6000万円~8000万円
必要初期費用:1億3000万円~1億8000万円
参考URL:
東京23区の土地価格相場・地価公示・都内23区ランキング
温泉・温浴施設の繁盛ソリューションパートナー 株式会社トリリオン


かなりザックリと必要な初期費用を算出してみましたが、初期費用だけで大体「1億3000万円~1億8000万円」ぐらいかなと。

もちろん、人気の土地とかに銭湯を作ろうとしたら坪単価はさらに跳ね上がると思いますが、東京でも住宅街とかの坪単価は安くて40万円ぐらいなので今回は100万円で算出させていただきました。

それでも必要な初期費用は1億円を超えることになりそうなので、これから銭湯を開業しようとしている人は以下のポイントを押さえる必要がありそうです。
・坪単価が安い住宅街などに作る
・シンプルな設計の銭湯にし、建設費用を抑える。

当たり前のことですが、初期費用は抑えるに越したことはないのでかなり考えて銭湯を建てる必要がありますね。

2-2.銭湯の水道代について

最初に記述した通り、普通公衆浴場(銭湯)の水道代は自治体から補助が出るのでかなり優遇されています。

実は、銭湯の水道料金は実質無料で、さらに施設と土地の固定資産税はその3分の2が免除されるのだ。
銭湯は11立方メートル以上はいくら使っても同109円なのである。また基本料金にしても、一般では口径40mm以上なら6,865円~816,145円と8段階の設定があるのに対し、銭湯はいくら口径が大きくとも、6,865円が上限なのだ。
引用:(2ページ目)銭湯、客数減でもなぜ潰れない?多額補助金、水道料金実質無料、税金免除… | ビジネスジャーナル


ということでここもかなり大雑把に算出をしますが、銭湯の水道代は大体月3万円ぐらいではないのかなと。
かなり安いですよね。下手したら水を多く使う家庭よりも安い水道代ではないのでしょうか。

水道代優遇はかなり魅力的ですよね。
ちなみに水道代優遇は普通公衆浴場(銭湯)だけですよ?
特殊公衆浴場(スーパー銭湯)は優遇されないので気をつけてくださいね。

2-3.銭湯の修繕費用について

梅湯の経営を始めた段階で、500万円くらい使って色々な箇所を修繕しました。漏水はそのあとに起こってすごく困ってたんですけど、つい先日工事して、やっと直りましたよ
引用:銭湯って儲かるの? 25歳の若き経営者「湊三次郎」に現実を聞いてみた - イーアイデムの地元メディア「ジモコロ」

京都市下京区にある「サウナの梅湯」の湊さんもおっしゃっているように、銭湯は年々劣化していくので修繕が必要となります。
修繕としては水道管や浴槽などに対して行うのですが、費用としては大体500万円ですかね。
毎年修繕費がかかるわけではないと思うので、5年に1回500万円がかかる計算ですかね。
つまり、1年間で大体100万円。

初期費用で1億円とか言っていたので、ここで100万円というとかなり安く感じますが、100万円はかなりでかいですよ。
毎月修繕費の積み立てはしないとですね。

2-4.銭湯の売り上げについて

銭湯業界で一般的に言われている儲かるラインは、一日の客数が120人なんです。 でも普通の銭湯なら実際は平均80人~90人ってところじゃないですかね。梅湯も平均はそんな感じですね。
建て替え前は、最高でも1日300人程度でしたが、今では平日に500人、休日だと800人、多い時は1000人に達します。
銭湯倒産ラッシュのなか、「客数3倍」を実現 久松湯の挑戦 | 月刊「事業構想」2016年12月号

1日大体平均100人ぐらいが来場するとのこと。
東京だと大人[12才以上]1人「 460円」なので、単純計算すると1日の売り上げは約46000円です。

つまり、月25営業日だとすると入浴料だけで月の売り上げは115万円ですね。 その他、飲み物やレンタルタオルなどの購入などを含めると月120万円ぐらいになるのではないでしょうか。

月120万円で計算すると、1年間の売り上げは1440万円。

年間これだけ売り上げをしていけばどうにか経営をしていけそうですね。
経費などを引いた純利益などの話は後程書いていきたいと思います。

3.つまりどうすれば銭湯を開業し経営できるのか

銭湯経営するには

ここまで色々好き勝手書いてきましたが、つまるところどうすれば銭湯を開業して経営し続けることができるのかまとめましたのでご覧ください。

3-1.必要な初期費用

必要な初期費用(※)は「1億3000万円~1億8000万円」
※土地代、建設費用、その他諸々の諸経費を含む

必要な初期費用は「1億3000万円~1億8000万円」という個人ではなかなか払うことができない金額をたたき出してしまいました。

しかし、銭湯を始めた方の中にはアルバイから銭湯を引き継いだ方や、廃業になりかけた銭湯から格安で譲りうけた方などが多くいらっしゃいます。
増して最近廃業となりつつある銭湯業界。
後継者などを探している銭湯もかなりあると思うので、初期費用はうまくかわして銭湯経営になれるのではないでしょうか。

3-2.必要な1日来場者数

必要な1日の来場者数は「100人」
※儲かるラインは1日「120人」

前述で計算したところによると、大体1日来場者数が100人入れば銭湯を経営していけるのではないかと。
1日100人と聞くと結構ギリギリなラインだなと思うと思いますが、自分は経営や宣伝方法などやり方によっては1日500人とかはいけそうだなという感想ですね。
生半可な覚悟じゃ達成できないと思いますが…

3-3.必要な年間売り上げ

必要な年間の売り上げは「1440万円」
必要な月の売り上げは「120万円」

必要な売り上げは上記の通りですが、この売り上げがそのまま純利益になるわけではありません。
そこで、月でかかる経費などを下記の通り算出してみました。

月アルバイト代:30万円
月光熱費:10万円
月修繕費用積み立て:10万円
その他雑費:5万円
月の経費合計:55万円

月の純利益は以下の通り。

月の純利益は「65万円」

月の純利益は「65万円」と算出しましたが、おそらく純利益はもっと低くなるのかなと。
アルバイト代がかさんだり、雑費がかさんだり何があるかわからないですからね。
でも、大体計算としてはこんな感じではないのでしょうか。

ちなみに、純利益は自分が給料として受け取ってもいい金額となるわけですが、自分はある程度お金をためておきたい人間なので、給料としては30万円ぐらいでいいかなと思っていたり思わなかったり。。。

最後に

銭湯いいですよねぇ。
なんか番台で常連さんとかと雑談しながら仕事して、地域コミュニティに携わってる感じがなんと言えない…

色々計算して見えてきたのですが、初期費用についてどうにかできればあとはクリアできそうなイメージなんですけどね。
うーん。どうなんでしょうか。

でも、やっぱり銭湯経営ってむちゃくちゃ楽しそうなんですけどね。
銭湯経営をするタイミングは常に把握しておかないと…

おしまい。